神山まるごと高専が「2023年度グッドデザイン金賞」を受賞
私立高等専門学校「神山まるごと高専」は、このたび2023年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)において、本校がエントリーした「学校をつくるプロジェクトの集合体」が、「2023年度グッドデザイン金賞」を受賞したことを発表します。
10月25日に「グッドデザイン大賞」選出会が行われ、5つのファイナリストとして本プロジェクトも選出されていました。
本プロジェクトは、大賞になった1位の3,996票に次いで、3,230票を獲得。5つのファイナリストの中から、2位を受賞し、「グッドデザイン金賞」を獲得しました。改めて、本プロジェクトに関わっていただいたすべての方々に感謝をお伝えするとともに、100年続く学校として、さらなる「モノをつくる力で、コトを起こす人」の育成に務めてまいります。
※グッドデザイン金賞とは
経済産業大臣賞
2023年度に選ばれたすべてのグッドデザイン賞受賞対象の中で、特に優れたデザインと認めるもの
■応募背景
本校は「テクノロジー×デザインで、人間の未来を変える学校」をコンセプトに、自ら課題を発見し、モノをつくる力で解決し、社会に変化を生み出すことができる人材である「モノをつくる力で、コトを起こす人」の育成を目指し、2023年4月に19年ぶりの新設高専として徳島県神山町に開校しました。
2019年6月に構想を発表してから4年弱の年月において、総勢120名のプロボノの協力や、50社以上の企業からの寄付や支援。56名の起業家の応援と、立地する神山町および町民の皆さまの後押しといった、さまざまな個人や団体からの想いのこもった後押しをいただけました。この後押しの結果として、「テクノロジー×デザイン×起業家精神」が三位一体備わった独自のカリキュラムのもと開校が実現しただけでなく、Makuake応援購入プロジェクトにおける1611名の支援および5700万円を超える支援の実現。開校資金として30社、25名から合計27億円の寄付。学費無償化のために11社から約100億円を集め、奨学金基金として運用する国内初のスキーム。一期生募集において9倍の倍率といったことが実現しました。
今回、テクノロジー、デザイン、起業家精神を同時に学べる独自カリキュラムの設計や、無償化のスキーム構築。そして、複数のプロジェクトが自律分散的に走りながら、さまざまなステークホルダーが連携をしあい学校づくりが行われていく組織やプロジェクトの進行そのものが「デザイン」であると考え、グッドデザイン賞にエントリーを行いました。
名称:学校をつくるプロジェクトの集合体
応募者:学校法人神山学園、神山町
概要:テクノロジー、デザイン、起業家精神をまるごと学べる環境を提供する、19年ぶりとなる新設高専の開校に至るまでのプロジェクトの集合体です。資金調達、学費の無償化、独自カリキュラムの設計、新校舎の建設、認知拡大など大小さまざまなプロジェクトが同時進行しました。個人、企業、地域が所属する組織の垣根を越えて集まり、共創の輪を広げていきました。
公式サイト:https://kamiyama.ac.jp/
■事務局長松坂からのコメント
まずはこの素晴らしい賞をいただいたことを、これまで本校を支えてきたボランティア、企業、起業家、神山町、徳島県の皆さんに御礼申し上げます。
皆さんの支援があり「学校づくりのプロジェクト」を進めることが出来ました。今は、学校ができた安心感とともに、ここからがスタートだというワクワクした気持ちで、神山まるごと高専のメンバーは日々学生に向き合っています。
そして、私たちが、次世代にバトンをつなげたいという思いをカタチにすることができたのは、まぎれもなくデザインの力だったと思います。それをこのようなグッドデザイン金賞という形で評価いただけたことを非常に嬉しく思います。
全ては子どもたちのために。そして未来のために。願わくば、この事例が全国にも広がればと思っています。
■神山町からのコメント
この度のグッドデザイン金賞の受賞、誠におめでとうございます。
プロジェクト発足の記者会見から約4年、町として開校に向けた支援を行うことは、町に新たな可能性が生まれるきっかけとなった、大きな岐路であったと思います。人口減少の抑制、学生と地域の交流、新たな産業の創出など期待される効果も多く、地方創生戦略にある「まちを将来世代につなぐ」の目標を達成するためにも、高専の存在は大きいものがあります。
今後、まるごと高専から優秀な人材が多く輩出され、神山町に留まらず全国に活力を与える存在となることを期待しています。
■グッドデザイン賞とは
1957年創設のグッドデザイン商品選定制度を継承する、日本を代表するデザインの評価とプロモーションの活動。国内外の多くの企業や団体が参加する世界的なデザイン賞として、暮らしの質の向上を図るとともに、社会の課題やテーマの解決にデザインを活かすことを目的に毎年実施され、賞のシンボルである「Gマーク」は優れたデザインの象徴として広く親しまれています。
■「神山まるごと高専」とは
神山まるごと高専は、徳島県神山町に2023年4月に開校した5年制の私立高等専門学校です。 「テクノロジー × デザイン ×起業家精神」を教育の土台としながら、 神山という地に根ざし、社会を動かす人材「モノをつくる力で、コトを起こす人」の 育成を目指します。