全学生・教員にChatGPTの有償ライセンスを付与
私立高等専門学校「神山まるごと高専」は、最新テクノロジーを通じた学生の学習体験の向上を目的に、生成系AIであるChatGPTの有償ライセンス「ChatGPT Plus」(月額20ドル / 一人)を、全学生・教員に付与することを発表いたします。今後、ChatGPTを通して学習の効率化を図るほか、学生・教員がChatGPTなどの生成系AIを使いこなす体験をいち早くから積むことを目指します。
なお、本校においては、日常の学習活動をはじめ、学校における課題レポートなどにおいてもChatGPTの利用を認めることとします。
■ChatGPTについて
ChatGPTは、OpenAI社が提供する自然言語処理AIの一つです。従来型のチャットボットとは異なり、自然な「対話」をAIと行うことができます。これにより、webサイト上で検索するのではなく、AIに相談しながら、調べ物やアイディアの取りまとめなどを行うことができます。また、APIが公開されており、音声認識APIや表計算ソフトなどの業務アプリケーションと組み合わせることで、さまざまな作業を自動化・効率化することができるようになります。
■ChatGPTの学習利用について
現在、ChatGPTをはじめとした生成系AIの進化および活用方法の発展は目を見張るものがあり、「モノをつくる力で、コトを起こす人」を目指す本校としても、同様のAI技術に慣れ親しみ、本質を理解したうえで使いこなす必要があると考えています。
したがって本校では、このChatGPTの有償ライセンス「ChatGPT Plus」(月額20ドル / 一人)を全学生44名および教員に付与します。すでに本校の授業「ITブートキャンプ」内ではChatGPTについて利用を開始しています。
この技術を活用することにより得られる具体的なメリットは次のとおりです。
学生向けのメリット
・最新テクノロジーに触れ、モノをつくるアイディアの可能性を広げる
変化の激しいテクノロジーの領域において最新の技術やサービスに触れ続けることは重要です。ChatGPTを日々活用し、使いこなすことで、モノ作りにおける活用やサービスアイディア、ビジネスアイディアの発案が促進されます。
・学習の効率化
学生が日々の学習において、わからないこと、理解が難しいことに直面した場合、ChatGPTに尋ねることにより、迅速に一定の回答を得ることができます。また、複雑な概念や専門的な知識・用語であっても、ChatGPTとの対話により理解しやすくなります。例えば学生がプログラミングの問題に直面した場合、ChatGPTを利用することで、特定の機能や文法に関する疑問点について、すぐに回答を得ることができます。また、大量の資料などをChatGPT自体にまとめさせることにより、効率化できます。
教員向けのメリット
・教育の質向上
講義などの資料作成において、ChatGPTを用いることで作業効率を上げることができます。例えば、過去の講義資料や教科書からの引用や参考文献の検索、要約やまとめの自動生成、または問題文の作成など、様々な作業の効率化や自動化を行うことが可能です。そうすることで、教員は、何をどのように教えるべきかという授業の本質に向き合う時間を多く取ることができるようになります。
・自己学習支援
教員みずからが自身の学習のためにChatGPTを利用することで、学習における生成系AIの有効的活用を模索するととともに、学生や教職員に共有し議論してくことで教育の質の向上につなげていきたいと考えています。
これらはメリットの一例に過ぎず、ChatGPTを利用する中において、学生および教員の新たな利用方法の発見や、ChatGPTそのものの開発から得られる新しい機能方法の提供がなされることを、本校は歓迎します。
■利用における留意点について
ChatGPTの教育における活用には、議論が多く残っています。神山まるごと高専では、ChatGPTの利用に際して、次のことを留意点として利用者に啓発するとともに、この留意点自体も技術の進歩に合わせてアップデートを行います。
・個人情報・機密情報を入力しない
ChatGPTに関する情報の取り扱いは未だ不明確な部分が多くあります。加えて、入力した内容がChatGPT自身の学習用途として活用されます。したがって、氏名や連絡先をはじめとする個人情報や学校運営情報をはじめとする機密情報の入力を行わないようにします。
・不正確な情報が出てくることを把握し、鵜呑みにしない
ChatGPTが提示する回答は必ずしも正しいものではありません。本校の学生およびスタッフはそのことを認識し、情報を鵜呑みにしないようにします。
・利用規約に注視する
ChatGPTはじめソフトウエアの利用規約の多くは、常に更新をされます。本校は常に利用規約を注視するととともに、学生およびスタッフへの悪影響やリスクが想定され次第、利用を中止します。
神山まるごと高専は、今後とも、「テクノロジー×デザインで、人間の未来を変える学校」をコンセプトに、「モノをつくる力で、コトを起こす人」の育成に励んでまいります。
(以上)
■「神山まるごと高専」とは
神山まるごと高専は、徳島県神山町に2023年4月に開校する 5年制の私立高等専門学校です。 「テクノロジー x デザイン x 起業家精神」を教育の土台としながら、 神山という地に根ざし、社会を動かす人材「モノをつくる力で、コトを起こす人」の 育成を目指します。