私立高等専門学校「神山まるごと高専」は、校舎「OFFICE」と寮「HOME」を竣工し、本日3月13日に竣工式を執り行ったことを発表します。神山町の資源や土地を活用した校舎・寮となっており、校舎は地元の神山杉を活用した木造平屋、寮は旧神山中学校をリノベーションしています。

2023年4月からは新校舎・寮に一期生を迎え入れ、「テクノロジー × デザイン×起業家精神」を教育の土台としながら、「モノをつくる力で、コトを起こす人」の育成を目指してまいります。
なお、3月13日（月）から3月19日（日）を「校舎・寮お披露目週間」とし、地元神山町の住民や本校の関係者向けに新設した校舎・寮を見学いただける機会を設けています。

■校舎「OFFICE」について
校舎での学びをインプットするだけではなく、他者や社会への実践的なアウトプットにつなげて欲しいという想いを込めて、授業や研究の拠点となる校舎の名称は「OFFICE」としています。

OFFICE内には、200名が収容できる「大講義室」、研究・制作ができる2つの「ラボスペース」、日々の授業を行う5つの「講義室」、そしてワークショップも可能な「演習室」、教員スタッフが活用する「研究室」などがあります。新校舎は、元々棚田であった土地に建設したため、神山町の景観に馴染むよう、平屋の木造校舎としました。棚田の高低差を利用することにより、研究室と学生が使うラボスペースには豊かな空間が生まれ、コミュニケーションが取りやすい環境を作っています。

また、建材は神山町の町産材である「神山杉」をふんだんに活用しました。地元製材所の協力のもと、着工前より杉を伐採し、自然乾燥して準備いただきました。この建物は「レシプロカル構造」という相持ち構造にすることで、柱をあまり使わない見通しがよい大きな空間となっています。

「OFFICE」大埜地校舎概要
名称：OFFICE（オフィス）
所在地：徳島県名西郡神山町神領字大埜地343
構造：木造平屋
敷地面積：8193 m²
延床面積：1955 m²

「OFFICE」外観

「OFFICE」内観

大講義室

講義室と演習室

■寮「HOME」について
仲間とともに暮らし学ぶことで、感性や絆、心を育んでほしいという思いから、寮の名称は「HOME」としています。HOMEは、神山町から譲り受けたRC造４階建ての旧神山中学校をリノベーションしています。

HOME内には３学年分の寮室、食堂、そして図書室といった暮らしに密接な機能と、美術室や理科室などの特別授業の教室を備え、バリアフリー化を図るためエレベーター棟を増築しています。寮室のフローリングや建具、食堂の壁材や家具にはOFFICE同様、神山杉を使用しており、木の温もりを感じられる空間となっています。

HOMEでの生活は1年生から3年生までを対象としています。HOMEでは、1年生が入居する2人部屋が2つ、2年生・3年生が入居する1人部屋が2つ、合わせて6人での暮らしを１ユニット（区画）とし、共同での生活を行います。学年が異なる学生たちが一緒に暮らすことにより、互いに学びを深められる設計にしています。

食堂は一階にあり、テラスと広場を一体的に使うことができます。運営は神山で「かま屋」を営むフードハブ・プロジェクトが、神山町産の食材を中心に活用した給食を提供します（※1）。また、食堂に隣接して図書室を設けて、定期的に地域への解放を行うことで「まるごと」学ぶ機会を設けたいと考えています。

「HOME」西上角校舎・学生寮概要
名称：HOME（ホーム）
所在地：徳島県名西郡神山町神領西上角175-1
構造：RC 造 5 階(リノベーション)、鉄骨造 4 階+木造平屋(増築)
敷地面積：15671 m²
延床面積：3879 m²

「HOME」外観

「HOME」内観

食堂

寮室（ユニット・リビング）

校舎「OFFICE」・寮「HOME」の上空写真

■設計・施工者
設計監理:shushi architects 吉田周一郎・石川静 + 須磨一清
構造設計:山田憲明構造設計事務所(OFFICE) 、フジタ設計 藤田清人 (HOME)
設備設計:ZO 設計室
施工:北島コーポレーション
サインデザイン:礒谷博史

※1：神山まるごと高専「神山まるごと高専（仮称）が、徳島県神山町「フードハブ・プロジェクト」と連携」（2021年10月21日発表）
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000016.000049229.html

※2：本リリースに挿入している写真は、Koji Fujii氏が撮影したものです。

（以上）

■「神山まるごと高専」とは
神山まるごと高専は、徳島県神山町に2023年4月に開校する 5年制の私立高等専門学校です。 「テクノロジー x デザイン x 起業家精神」を教育の土台としながら、 神山という地に根ざし、社会を動かす人材「モノをつくる力で、コトを起こす人」の 育成を目指します。