寺田・大南・国見が発起人となり、神山町での初の合宿を行いました。一泊二日、泊まり込みで議論を行い、学校の大きな方針や、存在意義、そして育成したい学生の根幹を決めました。テクノロジーとデザインと起業家精神を学ぶことは、この当時から定められた本校の根幹です。
学校創りの歩み
誰も教えてくれない「学校の創り方」。
ここでは学校を創るプロセスやストーリーを、
ご紹介します。
誰も教えてくれない「学校の創り方」。
ここでは学校を創る
プロセスやストーリーを、
ご紹介します。
2018
2019
June
神山まるごと高専学校構想の
記者発表会
神山町役場で記者発表会を実施しました。徳島県の新聞・テレビメディアや、東京のメディアが記者会見には参加し、報道を行いました。記者会見終了後には、神山中学校校舎を視察しました。
August
September
学校長を募集開始
高専の学校長募集をプレスリリースで発表しました。ビズリーチ社の協力で、同社の転職サイト上でも掲載しました。1年で、国内外、さまざまな方から、500通以上の申し込みをいただきました。
December
内閣府まち・ひと・しごと
創生会議において、
神山まるごと高専の構想を報告
まち・ひと・しごと創生会議(第21回)にて、理事長寺田が、神山まるごと高専の構想を、安倍内閣総理大臣(当時)や文部科学大臣に報告しました。地方創生の1つのロールモデルになることを期待されました。
2020
June
November
December
個人版ふるさと納税で、
7700万円の支援が集まる
神山町の協力のもと、開始された個人版ふるさと納税を活用した神山まるごと高専への寄付が年末までに、7700万円集まりました。日本全国より、大変多くの方から支援をいただきました。
ビジョン「神山町から未来の
シリコンバレーを生み出す」を制定
運営メンバーの約半日にわたる議論の末、本校の目指すビジョンが定まりました。「神山町から未来のシリコンバレーを生み出す」は、本校から実際に卒業生が輩出された結果、神山町からイノベーションが生み出され、それを起点に企業や人材が再度集積し、シリコンバレーのような存在になって欲しいという想いがこめられています。
2021
January
February
校舎のコンセプトが決定
新しく建つ教室や研究室を社会に開けた場所という意味でOFFICE。旧神山中学校をリノベした寮や食堂を生活の基盤としてのHOMEというコンセプトで名付けると、それぞれの場所の意味合いがクリアになって、建築のイメージがまた広がりました。
March
April
May
June
October
December
プレ学校説明会の開催
初となる学校説明会を「プレ学校説明会」と題して開催。30名の中学生が集まりました。このプレ学校説明会を皮切りに、オンラインを中心に学校説明会は開催され、1年で延べ1000名以上が参加しました。
2022
January
奨学金基金構想の発表
家庭の経済状況に左右されず、誰もが目指せる学校を目指すために、100億円の基金を組成し、運用益で奨学金を設ける日本で初めての構想が発表しました。理事長寺田やパートナー担当長谷川により、企業・個人への提案活動がスタートしました。
March
April
大型イベント 未来の学校FES
「15歳の選択肢を広げる」をテーマに、未来の学校やキャリアのあり方を、みんなで考えるイベント「神山まるごと高専 presents 未来の学校FES」を、東京会場、神山会場、オンライン会場で開催しました。オフライン会場には500名を超える中学生とその保護者が参加し、起業家たちの講義や体験型のワークショップを通して、新たなキャリアについて考えました。
June
August
サマースクールの開催
「神山まるごと高専を疑似体験する」をテーマに、本校初となる、サマースクールが開催されました。6倍の選考をくぐり抜けた38名の学生が神山町で、五泊六日の学校生活を過ごしました。
2023
February
March
スカラーシップパートナー11社が決定
11社のスカラーシップパートナーが決定し、かねてより構想していた奨学金基金の運用益で給付型の奨学金を提供する仕組みが完成しました。これにより、全学年、全学生無償の学校が実現しました。スカラーシップパートナーは学生たちと二人三脚で歩みを深める取り組みを行います。
校舎・寮の竣工式を実施
新設の校舎「OFFICE」と旧神山中学校をリノベーションした寮「HOME」が3月13日に完成し、竣工式を行いました。OFFICEは神山杉をふんだんに使った木の香りが残る校舎に。そしてHOMEは、神山中学校の名残もある、温かみのある寮に生まれ変わりました。
校舎・寮のお披露目週間を開催
神山町民の皆さんに、完成した校舎「OFFICE」と寮「HOME」をお披露目。新しい校舎・寮に、町民の方からも期待の声が上がりました。1週間でのべ1,500名もの方にご来場いただけました。
April
入学式を実施
4月2日、神山まるごと高専は開校し、44名の新入生を迎えることができました。2018年の構想キックオフから5年。いよいよ学校がスタートしました。「学校創り」はここまで。これからは学生たちと学びを深め、「テクノロジー×デザインで、人間の未来を変える学校」を目指していきます。
開校
設立メンバーの想い
「学校を創りたい」
ずっと持ち続けてきた漠然とした想いが、
熱を持って形になっていったのは、
出会えた場所と人の化学反応があったから。
構想から10年以上、プロジェクト開始から約2年。
そのはじまりの場所にいた、
初期の設立メンバーが学校立ち上げに込めた、
それぞれの想いを知ってください。
-
大事なのは
学びを目的に
する事ではない。Sansan株式会社
代表取締役社長/CEO寺田 親弘
想いをみる -
これまでにない
選択肢を
提供したい。認定特定非営利活動法人
グリーンバレー理事大南 信也
想いをみる -
自分自身が
目指す北極星を
何度も探してほしい。株式会社2100
CEO/Creative Director国見 昭仁
想いをみる
大事なのは
学びを目的に
する事ではない。
Sansan株式会社 代表取締役社長/CEO寺田 親弘
Sansanの経営は私にとっての主戦場です。しかし自分が持つリソースを使って「Sansanとは違う社会貢献ができないか」とずっと考えていました。Sansanでの採用活動で優秀な高専生が数多くいることを知りましたし、中学卒業時点で専門技術を5年かけて究めるという彼らの覚悟には目を見張りました。高度成長期のものづくりを支えた高専をアップデートできれば、今まで以上の学びの場になると感じています。「神山まるごと高専」では、従来の高専のようにテクノロジーの理解や習得に力を注ぐ一方、アートやデザイン、マインドフルネスなどもカリキュラムに加える予定です。しかし、大事なのはこれらの学びを目的にするのではなく、刀のように自分の武器として扱い、どのような環境でも自由に駆け回り、生き抜いていくこと。「神山まるごと高専」の設立は、順調なら2023年、最初の卒業生が生まれるのは2028年です。変化が激しくなる時流のなかで「2028年にはどんな社会課題が生まれているか」を正確に予測するのは難しいもの。だからこそ、どんな時代であっても自ら課題を考え、決断し、動ける「野武士型パイオニア」を輩出することが大きな意義になると信じています。
- PROFILE
- 慶應義塾大学環境情報学部を卒業後、三井物産株式会社へ入社。情報産業部門に配属された後、米国・シリコンバレーでベンチャー企業の日本向けビジネス展開支援に従事する。帰国後は、社内ベンチャーとしてデータベースソフトウエアの輸入販売を行う部門を立ち上げる。その後、関連会社に出向し、経営企画・管理業務を担当。2007年、Sansan株式会社を創業。
これまでにない
選択肢を
提供したい。
認定特定非営利活動法人
グリーンバレー理事大南 信也
神山町には日本全国どころか世界中から集まってきたクリエイターが数多くいます。最先端のITやAIなどの特殊なスキルを持つ人たちばかり。学生たちにとってこんなに贅沢な学びの場はないわけです。さらに校舎と町の間には境界がなく、町のサテライトオフィスにいる現役クリエイターが学校まできて講義する日もあれば、学生自らオフィスに足を運んで何かを吸収する日もある。それが「神山まるごと高専」なんです。現代社会は仕事の形が大きく変わりつつあり、その流れは今後さらに加速し、今ある職業も多くは無くなってしまうはず。かつては新卒でどこかの会社に入り、定年まで勤め上げる人生が当たり前でしたが、これからの子どもたちはむしろ自分たちで新しい仕事を創造しなければいけません。この高専は神山町だけでなく、全国各地の既存の教育機関にも大きなインパクトを与えるのではと、日本中から期待されています。冒険心豊富な学びを実現する神山まるごと高専そのものが、教育界に変化を生み出す存在として、これまでにない選択肢を提供できると考えています。
- PROFILE
- 神山まるごと高専設立準備財団代表理事・NPO法人グリーンバレー創設メンバー。クリエイティブに過疎化をさせる「創造的過疎」を持論に、多様な人が集う「せかいのかみやま」づくりを進める。
自分自身が
目指す北極星を
何度も探してほしい。
株式会社2100
CEO/Creative Director国見 昭仁
教育は自分の人生をどうより良いものにするかまでは教えてくれません。だからこそ自分自身が目指す「北極星」がどの方角にあるのかを何度も探し、試行錯誤する経験が必要だとずっと考えていました。教育界でよく用いられる「Head(知識)」「Hand(技術)」「Heart(意志、こころ)」という3要素がありますが、どの知識や技術を習得すべきかを判断するのは自分自身。つまり自分の意志「My Heart」こそが大事だと考えています。さらに私たちはここに「Foot」という要素も加えました。「神山まるごと高専」の学生の方々には、神山を歩き回り、多くの人と語り、たくさんのことを感じてほしい。自分の想いを人に話し、相手の表情から感じたことを振り返り、また自分の想いを高めてほしい。学校の文化として意志を大切にする仕組みも取り入れたいと考えています。例えば、たき火。火を囲んでいると、なぜか普段話せないことを口にできる気がしませんか。自分の夢を語り、人に否定され、人に共感され、喜び、涙する。そんな体験に満ちた5年間にしたいですね。
- PROFILE
- 大手銀行などを経て、2004年に電通入社。2010年、経営者と向き合いながら、経営、事業、インナーなどのあらゆる企業活動をクリエイティブの力で変革する「未来創造グループ」を立ちあげ、日本ではほとんど存在していなかったビジネスデザインのノウハウをゼロから創りあげる。以降、さまざまな業界のリーディングカンパニーからベンチャー企業において経営変革、事業変革、風土改革などのプロジェクトを150件以上実施。2017年、未来創造グループを拡張し、ビジネスをデザインする専門組織「電通ビジネスデザインスクエア」を立ち上げる。2018年に導入された新制度により、役員待遇となるエグゼクティブ・プロフェッショナルに最年少で就任。2020年、電通を退社し、企業の存在のあり方から未来をデザインするプロフェッショナルブティック「2100」を創業。